2016年4月24日『Abbaye de saint Arsene II prologue』

 

ルドロウ・キャッスル・プロジェクト第60弾となるイベント、『Abbaye de saint Arsene II prologue(アベイ・ドゥ・サン・アルセーヌ)が4月24日(日)に開催されました!

 

いらしてくださった皆さま、ありがとうございました!!!

 

 

ルドロウ史上初!脚本・演出スタッフが「ずっとやりたかった!」というゴスペル(生歌)にも挑戦した今回のイベント。また、キャストの面々にも、加入一年未満のメンバーを多く登用した、いろいろな意味でもフレッシュなイベントとなりました。

 

熟練のメンバーは演技には慣れているものの、初となる生歌や合唱での自分のパートの音とり等に苦戦し、逆に、比較的音楽が得意な新人メンバーたちは、ほぼ経験のない演技に苦戦…。

それぞれの能力を活かし、各部門、ルドロウスタッフとしては新人であったとしても、その部門で最もエキスパートなメンバーがリーダーとして不慣れなメンバーを引っ張っていくという、ちょっと初々しい準備期間となりました!

 

 

さて、ストーリーの面では…?

 

今回のイベントは、2013年12月に行われた『アベイ・ドゥ・サン・アルセーヌ』と同じ、メイスフィールド家の姉アドリアナ、妹オフェーリアが営む聖アルセーヌ修道院。

 

前回は8年前の孤児院としての面をストーリーの主軸としましたが、今回はアルヴァやクライドたちが生きているストーリー上の「現代」の修道院をメインとして、シスターや 見習いシスターたちに焦点を当てたイベントとなりました!

 

 

2013年12月に行われたアベイ・ドゥ・サン・アルセーヌ
2013年12月に行われたアベイ・ドゥ・サン・アルセーヌ

 

衣装も、このイベントのためにすべてを新調しました!

 

左がシスターたちのエプロンタイプの制服、右がシスター見習いたちのワンピースタイプの制服。実は同じに見えてちょっとずつグレーの部分の生地が違っていたり、十字架は木のビーズが使用されていたり…こだわりがたくさんあります!そうそう、この十字架は実はすべてシスターたち本人の手作りなんですよ♪

 

 

…それでは、ストーリーをおさらいしていきましょう!!!

 

 

 

 

 

P-1『the incoming ofspring』

 

のんびりおおらかで、楽天的なシスター・ユーフェミアと、そんな彼女とは正反対の、神経質で生真面目な見習いシスター・ナタリー。

 

修道院で共同生活をしている孤児たちのために焼いたばかりのパンを運びながら、ユーフェミアはパーティーの賑やかさに心が弾んでしまい、つい鼻歌を口ずさんでしまいます。日常に彩りを添える今日の賑やかさを喜ぶユーフェミアと、そんな彼女に呆れ、質素な暮らしこそが修道院だと溜息をつくナタリー。

 

不愛想な後輩がどこか愛らしく感じられるユーフェミアは、子供達のパンをつまみ食いするふりをして、ナタリーを慌てさせます。ユーフェミアの冗談にすっかりペースを崩されたナタリーは、少々不機嫌に…。

 

シスターといえども、皆人間。

特にここ アベイ・ドゥ・サン・アルセーヌのシスターたちは、なかなか個性的なシスターばかりのようです…

 

P-2『early spring』

 

ぶつぶつ言いながら苛ついた様子でやってきたのは、シスター・セラフィーナ。

 

頼み事をした見習いシスターのシャウナの所在がわからないことにイライラしているようで、後ろで声を掛ける機会を伺っている気弱な見習いシスター・ロビンにはまるで気が付きません。

 

ロビンはやっとのことでセラフィーナに気が付いてもらえるものの、オドオドとしてなかなか用件を言い出せず、セラフィーナのイライラは募るばかり…。

 

しかも用件を伝えれば伝えればで、その内容にセラフィーナの機嫌はさらに悪化。

どうやら、迎賓を任せていたはずの見習いシスター・ミーシャが勝手に席を外し、別の仕事を言いつけられていたロビンがその穴を埋めていたようです。

自分の計画が崩れ、またミーシャの行方もわからなくなっていることに対して、目の前のロビンへ向け怒りを爆発させるセラフィーナ。ロビンはもう何も言えません。

 

…とそこに、穏やかで気品のあるシスター・メアリーが通りがかり、ロビンに助け船を出します。勝手に仕事を放り出したミーシャの分までお手伝いをしてくれていたロビンに感謝を述べると、メアリーはロビンを次の仕事へと送り出します。

 

なおも小言が止まらないセラフィーナですが、メアリーが彼女の眉間に集まっているシワを指さすと、セラフィーナは大慌て。神に仕える身とはいえ、やはり女性は女性。セラフィーナは必死に眉間のシワを伸ばそうとします。

 

そして、メアリーの一言でセラフィーナは忘れていた用事を思い出します。

それは、まだ到着していない大切なゲスト二名を応接室に通すこと。その大切なお客様とは…

 

「…ドーソン伯爵家・ご子息の…」

「まぁ…!もしかして、クライド様ですか?」

 

クライドに直接会ったことはないものの、ドーソン伯爵家のことは「よく存じております」というメアリー。懐かしそうに笑う彼女のその理由とは一体…?

 

P-3『with the coming of spring』

 

シスター・セラフィーナの言っていた「大切なゲスト二名」…ドーソン伯爵家の二男・クライドと、その連れ・エリスを案内してくるシスター・メアリー。

クライドとエリス―二人の間柄は詳細不明。ただ、クライドは彼の後見人であるウィルマや、その母国・ヴィスラーマ王国の影響を受けたかのようないでたち、そして彼の連れだというエリスは、美しい顔に不釣り合いな丸眼鏡をつけ、仕立ての良さそうな華やかなジャケットに身を包んでいます。

 

彼らが応接室に通されると、メアリーによって、まもなくここにセラフィーナが来ること、そしてお茶とお菓子を持ってくることが伝えられます。「お菓子」という言葉に、懐かしそうに目を細めるクライド。「お菓子って…相変わらずここのシスター達が焼いているのかい?アルセーヌの焼き菓子なんて何年ぶりだろう…」

 

クライドはドーソン伯爵家の前当主サリヴァンと、このアルセーヌ修道院を経営するメイスフィールド家の女主人アドリアナの間に生まれた存在。母・アドリアナの策略によって永いことドーソン伯爵家にその存在を伏せられ、孤児として幼少~少年期をこのアルセーヌで過ごしていました。

そして15の時に母・アドリアナの「養子」としてメイスフィールド家のカントリーハウス、「ラ・トリステス・ドゥ・レトアール」へ…。

そこではアドリアナの雇った少年たちが男娼として働いており、クライドにもいよいよ魔の手が…。そして、当時シスターだったアドリアナの妹・オフェーリアの口から、自分の母がアドリアナその人だと知ったクライドは、アドリアナやオフェーリアを拒絶。

反抗するクライドをアドリアナは軟禁したものの、彼を想うルイ=マリーやアルセーヌ時代の親友・アシュリーの手によって、クライドはドーソン伯爵家の元へと救い出されました。

 

せつなく、苦い思い出。

―自分を赤ん坊から15まで育ててくれたオフェーリアは今一体―…?

 

クライドは多くを語らず、エリスとメアリーには「随分昔ここに住んでいたことがある」とだけ伝えます。すると、メアリーはそれを承知していると微笑みます。

誰に聞いた訳でもなく、また、まだ三年前にここに来たばかりだというメアリー。メアリーもまた多くは語らず、父サリヴァンに似ているというクライドの目を見つめて、優しく微笑みます。メアリーの身元に見当が見当がつかないクライド。メアリーはお茶をとりに部屋を去ります…。

 

…と、すっかり置いてきぼりにしてしまっていたエリスに気がつき、クライドは彼を気遣います。緊張しているとは言いながらも、エリスは目はキラキラと輝かせ、アルセーヌの建造物の素晴らしさを熱っぽくクライドに語ります。どうやらエリスは建築学に造詣が深いようです。

 

クライドはその様子に圧倒されながらもほっと安心し、少し悩んだあとに、オフェーリアの元へ挨拶へと向かいます。

部屋に一人にされたエリスは、部屋の中を物珍しそうにうろうろ。

 

謎のゲスト・エリス、そしてシスター・メアリーの不可解な言動…

今このアルセーヌで、なにかまた新しい物語が紡がれようとしています。

 

P-4『spring suddenly』

 

クライドがマザー・オフェーリアの元へと部屋を後にし、一人残された不思議な青年・エリス。…と そこへ、小柄な見習いシスターが一人勢いよく飛び込んできます。遠くから聞こえてくるのは、彼女の名前を呼ぶシスターたちの声と、いくつかの慌てた足音。

 

彼女は、見習いシスターのミーシャ。

仕事を放り出し、ロビンに押し付けたままあちこちをふらついていたミーシャは、シスターたちに追いかけられながらも素早い足取りで逃げ回り、エリスのいる部屋へと逃げ込みます。

 

部屋の外にいるシスターたちが自分を見失ったことを確認すると、スケープゴートにしていたロビンの使えなさに舌打ちをし、ドカッ!とソファに腰かけます。追われているような雰囲気のミーシャに心配そうに声をかけるエリス。

 

「チッ…アイツら、本当、しつこくてさぁ!ちょっとサボったくらいで普通、ここまで追っかけて来るかぁ?!…って…?うぁっ、アンタ、誰っっ?!」

 

始めてみる青年の姿に驚くミーシャ。エリスは慌てて丁寧に挨拶をします。「申し遅れました、私は エリージャっと、いけない」…エリスが挨拶をしかけたそのとき、扉の向こうから、ミーシャを追ってきたシスター・キンバリーと見習いシスター・ロビンの声が聞こえてきます。

…このままでは、ミーシャが見つかってしまう!!!

ミーシャはエリスの胸倉をつかみ、たっぷりと脅したあと、エリスを残してカーテンにサッと隠れます。

 

「あの申し訳ございませんが、こちらにうちの若いシスターが参りませんでしたでしょうか…?」

カーテンの裏から睨みをきかせるミーシャ。エリスはその顔に驚き、取り繕ったような笑顔でキンバリーに嘘をつき、その場をしのぎます。カーテンの裏でほっと息をつくミーシャ。

 

なんとかキンバリー達をやりすごした二人は、雑談をしている間に意気投合。

やけに「お坊ちゃま」っぽいいでたちや振る舞いをするエリスに対して、ミーシャが明るく突っ込み、笑い飛ばします。そして、ミーシャが自己紹介をしてその場を去ろうとすると…

エリスにお茶を持ってきたシスター・メアリーが登場!

ミーシャは、笑顔ながらも力の強いメアリーの腕力に負け、アッサリと捕まってしまいます。

 

…あミーシャさん…!行っちゃった…。何だか、すごい人だったな

 

この国の空気も、

アルセーヌの建築様式も、

ミーシャの女性らしからぬ威勢の良さも、

エリスにとってはすべて新鮮で、鮮烈なものばかり。

 

エリスがアルセーヌに来た目的とは、いったいなんなのでしょうか…?

 

S-1『spring to mind』

 

ミーシャを見つけられず、イライラを募らせているシスター・セラフィーナ。…とそこへ、マザー・オフェーリアを探していたクライドが通りがかり、セラフィーナに声を掛けます。

 

たった一言のやり取り。…けれど、クライドは去り際に、セラフィーナの横顔にどこか懐かしさを覚え、歩を止めます。

 

「あれ…?…もしかして……フィーナ?」

 

セラフィーナの愛称「フィーナ」に反応し、驚いて顔をあげるセラフィーナ。最初は困惑するも、彼女は幼い頃 このアルセーヌで孤児として暮らしを共にし、いつしかメイスフィールド伯爵家へと旅立っていった旧友・クライドだと気が付きます。

 

顔を輝かせて再開を喜ぶクライドでしたが、うつむいて唸っているセラフィーナをのぞき込むと…突然彼女から平手打ちをくらってしまいます!!!クライドは驚き怒りだしますが、すぐにセラフィーナの涙に気がつき、何も言えなくなります。

 

アルセーヌの経営者「レディ・M」ことアドリアナの養子として修道院を去って以来、便りもなく、そのまますぐにドーソン伯爵家へ実子として引き取られていったクライド…。以来、彼がアルセーヌに一切顔を出すことはありませんでした。そんな彼を「薄情だ」といって泣きながら責めるセラフィーナでしたが、彼女はクライドのことがずっと心配で心配でたまらなかったようです。怒りながら、彼に抱きついて泣き出すセラフィーナ。

 

「…ごめん。それから………心配してくれて、ありがとう」

 

切なく笑うクライドに、セラフィーナはもう一発パンチを打ちますが、ひとつ深呼吸をするとしだい穏やかな優しい笑顔になり…

 

「ハァァ……。………おかえりなさい」

 

顔を見合わせ、やっと笑顔で向き合う二人。

セラフィーナは元々ゲストであるクライドに持っていく予定だった紅茶をその場で二つのカップに注ぎ、クライドに渡します。先にソファに腰かけたクライドに勧められ、セラフィーナも紅茶をもち、その隣に座ります。

 

 

クライドにとっては、辛い過去と密接に繋がっているアルセーヌ。

クライドは、アルセーヌに帰ってくることをずっと悩んでいたとセラフィーナに打ち明けます。レディ・Mやオフェーリア、そしてレトアールでの真実を知らないセラフィーナは、オフェーリアが心からクライドのことを心配していたことを告げますが、クライドはますます苦しみを募らせます。

そんなクライドの表情に、二人の間になにかがあったことを悟るセラフィーナ。

 

クライドは旧友の隣で、自分の中に渦巻いている葛藤を吐露します。

 

―当時は、家族同然に信じていたオフェーリアに裏切られたという気持ちでいっぱいで、ただただオフェーリアのことが許せずにいたクライド。

しかし、クライドも当時のオフェーリアの年齢に徐々に近づくにつれ、彼女の中にあったと思われる、その苦しみや悲しみを理解できるようになったと言います。…何も知らなかった幼い自分に対して、彼女もまた日夜葛藤していたのではないか、と…。そう思うと、自分もまた彼女に辛い想いをさせていたことには間違いがないのだろうと、クライドは切なそうに呟きます。

 

ただ、実際に会ったとき、自分の口から最初に出るのが、いったいどんな言葉なのか…?

クライドはそれが予測できないのが怖いのだと本音を打ち明けます。

 

 

すると、スッとソファから立ち上がるセラフィーナ。

 

聖書の言葉を引用しながら、彼女なりのエールをクライドに送ります。

 

「魔法の言葉を教えてあげるわ。…『ごめんなさい』と…『ありがとう』。…子供の頃は素直に言えるのにね…大人になると、何故だか、なかなか口にできなくなっちゃう。」

 

穏やかに語るセラフィーナに、目を見開くクライド。

 

「でも、あなたは違う。…さっき、私に言ってくれたでしょう?…ごめんって…ありがとうって…その言葉をそのまま、マザーにも伝えればいいのよ」

 

意を突かれたようにセラフィーナを見つめていたクライドでしたが…クライドの目には、徐々にクライドらしい光が戻ってきます。

 

微笑んで立ち上がり、噛み締めるかのようにセラフィーノに「ありがとう」を告げるクライド。

 

しっかりとした足取りでオフェーリアの元へと向かってゆく彼を見て、セラフィーナは懐かしそうに笑います。どこか嬉しそうなセラフィーナ。

 

 

苦しい過去に立ち向かう勇気を得たクライド。

 

…物語の続きは、またいつか……

 

M-1『Hail Holy Queen』

 

舞台が暗転しふたたび明るくなると、そこにはマザー・オフェーリアを含む、アルセーヌのシスターが全員そろって並んでいます。ピアノの前にシスター・キンバリーが座り、シスター・セラフィーナが一歩前に出ると、彼女の手がスッと上がり…

始まったのは、シスターたちの美しく、厳かなゴスペル。

 

かと思えば、突然の手拍子!

曲のリズムも静かなものからテンポのようものに変わり、シスターたちの表情も笑顔になります。膝を使ったり、ソロが入ったり…彼女たちの美しく、そして楽しいハーモニーが会場中に響き渡りました。

 

 

…いかがでしたでしょうか?

 

前回のリオンドールの流れを汲み、クライドの現在や過去に迫りつつも、謎や癖のある新キャラたちが大活躍した今回のイベント…。また、新たな試みとして取り入れられた生歌も、アンケートではたくさんの好評を頂いていたようです(^^)

前回の『アルセーヌ』とはまったく別のイベントになりましたね!!!

 

お客様の感想の中で多かったのは、控えめな性格ながらも、そのセリフにたくさんの含みがあったエリスの存在。「実は女性なんじゃないか?」というご意見まであったのですが…彼の正体はまた今後徐々に明らかになっていくことでしょう…!どうやら前回リオンドールのヘンリー宛に手紙を送っていたクライドが一緒にいたことが、彼の正体に関係しているようですよ…?

 

エリスの正体、そしてクライドを知るシスター・メアリーの事情や、クライドとマザー・オフェーリアの再会などは、今後のイベントをおたのしみに….+*☆ 

 

 

 

-fin.-